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右上6番の根管治療とペル、静かな闘い【第2話】 ~見えない根っこと、長く続く治療の理由 ~(クリスタルデンタルクリニック スタッフ連載②)

上顎6番_根管治療_ペル_複雑な3根管_迷路を進む女性_イラスト
最初の治療は、ずいぶん昔のことでした
この“上顎右6番(第一大臼歯)”を、私はいつ、どこで最初に治療したのか。
正確な時期や医院名は、もうはっきりとは思い出せません。

仕事で忙しかった頃か、あるいはもっと昔の学生時代?

痛みが出てから近くの歯科医院を受診し、
十分な説明を受けないまま神経を取る治療(抜髄)となり、保険適応の銀歯がかぶせられました。
上顎6番は本来3本の根を持つ歯ですが、
この最初の治療では、
  • 3本すべての根に根管治療が行われていたわけではなく
  • どの根がどこまで治療されているのかという説明もないまま
治療が終わったものとして扱われていたのだと思います。
当時は「神経を取ったから、もう大丈夫」と思い、
その後何年も、この歯を特に気にすることなく使い続けていました。
 

銀歯からジルコニアへ(川口市・川口駅近くの歯医者にて)

大きく目立つその銀歯がずっと気になっており、
今から11年前、現在通っている川口市・川口駅近くの歯医者「クリスタルデンタルクリニック」で、
銀歯をジルコニアに入れ替えることになりました。
この時、レントゲンで根の状態があらためて確認されました。
その結果、
・3本の根のうち1本は、すでに過去に根管治療が行われていたこと
・もう1本は、今回あらためて再治療できる範囲まで根管治療を行ったこと
・残る1本は、石灰化が強く、器具が通らない状態だったこと
が分かりました。
当時のレントゲンでは、
明らかな根尖病変(ペル)は確認されず、症状もありませんでした。
そのため、通らない1本は無理に処置せず、
処置できる根を整えた上で、ジルコニアをセットしました。
この時点で、
「他院で治療したこの歯の根の状況をクリスタルデンタルクリニックで初めてきちんとした説明を受けて理解できた。」
そんな感覚でした。
 

小さな違和感が、CT撮影につながった

それから11年。
上顎右6番の歯ぐきの下がりが気になり始めたことと、
見た目の透明感を整えたいという理由から、
担当の先生に相談し、素材を「イーマックス(e.max)」に入れ替えてみることになりました。
イーマックスは、素材そのものがすべてセラミックでできており、
非常に高い透明感が得られる一方で、
噛む力が強くかかる奥歯では、
部位や咬合の状態によっては、
より高い強度が求められる素材でもあります。
そのため、上顎6番への使用は、
適応を慎重に見極めたうえでの、
やや挑戦的な取り組みでもありました。
美しいイーマックスが完成し、本着前の仮着中のある日。
歯ぐきの付け根を軽く触っていたとき、
上顎右6番の付け根だけに、ごくわずかな違和感を覚えました。
痛みや腫れ、熱感といった分かりやすい症状はありません。
その小さな感覚が気になり、先生に伝えたところ、
急きょ歯科用CTを撮影することになり、
そこで初めて根尖病変(ペル)が確認され、
現在の根管治療へとつながりました。
 

なぜ、これまで気づけなかったのか

上顎右6番には、
強い痛みや腫れ、噛めなくなるといった症状はありませんでした。
ペルはこのように、
自覚症状がほとんどないまま進行することのある病気です。
「痛くないから問題ない」
そう判断してしまうのは、決して珍しいことではありません。
私自身も、歯の中で何が起きているのかを深く考えることなく、
長い間この歯を使い続けていました。

上顎の奥歯は「3本構造」、下顎は「2本構造」

歯の根の本数は、上下で大きく異なります。


・上顎の奥歯(6番・7番)は、標準で3本の根
・下顎の奥歯(6番・7番)は、基本的に2本の根
つまり、構造そのものがより複雑なのは上顎の奥歯ということになります。
上顎6番は、この「3本構造」を持つ代表的な歯です。
 

7番は「位置が難しい歯」、そして実は6番が“中のラスボス”

上顎7番(いわゆる奥歯)は口の一番奥に位置するため、
視野が取りにくく、器具も届きにくいことから、
「位置の悪さ」で治療が難しくなる歯とされています。
しかし、本当の意味で“中が難しい歯”としてラスボス級なのが、実は上顎6番です。
上顎6番は、
・3本の根がそれぞれ強く曲がっている
・途中で枝分かれしている
・“隠れた根管(MB2)”が存在することも多い
など、“構造そのものが非常に複雑で、「中が難しい歯」”といわれます。
7番が「場所の問題」で難しい歯だとすれば、
6番は「中身の構造」で難易度が決まる歯なのです。
 

上顎右6番は、利き手の影響も受けやすい部位

さらに上顎右6番の(頬側)は、
歯科医師が右利きの場合、
手首の角度・器具操作・ミラー視野のすべてが難しくなる部位でもあります。
見えにくく、器具も入りにくいこの部分で、
細い根管を探し、洗浄し、消毒していくには、
どうしても治療時間や通院回数が増えやすいのが実情です。

なぜ、こんなに時間と回数がかかるのか(根管治療の現実)

見えないところにこれだけの複雑さを抱えているため、
上顎右6番の根管治療は、まさに“時間との闘い”になることも少なくありません。

それでも感染がなかなかおさまらない場合や、
根の先まで十分に届きにくい場合には、
長期戦を続けるかどうかを含めて、
外科的な根尖切除術を検討したり、
歯の状態によっては抜歯を選択して、
そのうえでブリッジやインプラントなど
別の方法でかみ合わせを守る、
という選択肢が出てくることもあります。

こうした「次の一手」をどう考えるかについては、
またあらためて別の回でくわしくお話ししていきます。

 

とにかく根管治療は、短期間で終わる治療ではありません。


細く曲がった根の中から、
・感染した組織を少しずつ除去し
・何度も洗浄・消毒を繰り返し
・中が清潔な状態になってから
・最終的な薬の充填と被せ物へ進む
という工程を踏みます。
構造が複雑な歯ほど、
・奥に細菌が残りやすい
・一度落ち着いても炎症が再燃しやすい
・器具が届かない部分が残りやすい
こうした理由から、
治療期間と通院回数はどうしても必要になります。
「なぜ、こんなに何度も通うのか」
そう感じる患者さんがいるのは自然なことです。
それは、
それだけ中の状態が複雑で、再発を防ぐために慎重な処置が求められているというサインでもあります。
 

第1話で起きていたことは、過去の延長線上にあった

第1話でお伝えした「今、私の歯の奥で起きていること」は、
こうした長い時間と、上顎6番という歯ならではの構造の難しさが、
静かに積み重なった結果だったのだと、今は受け止めています。
上顎6番は、
もともと“簡単に治る歯”ではありません。
3本の根を持ち、内部は複雑で、
さらに位置的にも治療の難易度が高い歯です。
だからこそ今は、
一つひとつの工程を丁寧に重ねながら、
再発しにくい状態を目指して、根管治療が続いています。
 

現在の進捗と、正直な気持ち

現在、ペルの治療に入ってから6回目の通院。
正直なところ、気力も体力も、少しだけ折れ気味です。
それでも、ここまで来たからこそ、
途中でやめるわけにはいかないとも感じています。
次回は、
この数か月でどんな治療が行われ、
そのたびに私の気持ちがどう揺れてきたのか、
治療の進捗と、いまの正直な心境について、
あらためて書かせていただこうと思います。
また続きをお読みいただければ幸いです。
 
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2025年12月10日 20:00

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