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右上6番、静かな闘い~“ペル”と呼ばれる病気のこと~(スタッフ連載①)

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「右上6番、ペル出てますね。」
先生がそう言った瞬間、胸の奥に小さなざわめきが走りました。
痛くない。腫れていない。噛んでも平気。
なのに、わたしの歯の奥では“病気”が静かに進んでいた。
モニターに映る黒い影。
それが「骨が溶けているサイン」だと知ったとき、
思いもしなかった現実を突きつけられたような感覚でした。

 

そもそも“ペル”って何のこと?

先生が言った「ペル」というのは、
正式には”根尖病変(こんせんびょうへん)”と呼ばれるものです。
歯の根の先に炎症が起こり、
細菌と免疫の戦いの結果「膿の袋(炎症の塊)」ができ、
骨が少しずつ溶けていく状態のこと。
痛みがなくても進むことが多く、
レントゲンやCTで初めて見つかる“静かな病気”です。

 

どこがペルってる!?

CTの画面で先生が黒い影を示してくれたとき、
最初はどこを指しているのか分かりませんでした。
「え?これ?どの黒い点?どれが骨が溶けている部分なの?」
そんなふうに頭が追いつかないまま画面を見つめていました。
白く整った骨の中に、よく見ると確かにぽつんと沈む影がある。
それが自分の炎症だと理解するまでに、少し時間がかかりました。
いくら表面をセラミックで美しく整えても、
噛んで違和感も痛みもなくても、
奥でこんなことが起きている。
“本当の健康は、見えないところに宿っている。”
その事実が胸に重くのしかかりました。

小さな膿が骨を溶かす理由

歯の神経が虫歯や外傷で感染すると、細菌は根の先まで進み、そこで炎症が起こります。
体は細菌を排除しようとして、「炎症性サイトカイン」という物質を放出します。
これは身体に必要な“攻撃指令”であると同時に、骨を溶かす破骨細胞を刺激してしまう作用もあります。
つまり、

骨を溶かしているのは膿そのものではなく“体の防御反応”。

炎症が続けば黒い影は広がり、
“根尖病変(ペル)”としてCTに映るようになります。
 
ペルの段階と、わたしの6番の位置づけ
ペルには段階があります。
程度 症状 骨の状態
軽度 無症状 小さな影、炎症初期
中等度 噛むと違和感 部分的骨吸収
重度 腫れ・激痛・膿 広範囲の骨破壊
わたしの6番は、
中等度~重度の境界線あたり
根が3本あるうち1本は完全閉鎖して通らず、
残り2本を通して洗浄しても腫れたり落ち着いたりの繰り返し。
“沈黙の感染”という言葉が、本当にしっくりくる状態です。
 

根の治療は、見えない敵との長い戦い

根管治療は、肉眼では見えない敵と向き合う治療です。
根の中の細菌を消毒し、乾燥させ、薬剤で密閉していく。
根が細い・曲がっている・石灰化しているなど、条件が複雑になるほど時間がかかります。
治療のたびに
「今日は通るかな」「次はどうなるんだろう」
と気持ちが揺れるのは、ごく自然なことです。
わたしも同じような葛藤を感じながら通院を続けています。
そして今は、
担当の先生が丁寧に状況を見極めてくださっていることを信じて、
この治療を一歩ずつ進めていこうと考えています。

根の治療といえば、
「マイクロスコープが必要なのでは?」
という声も確かにあります。
拡大視野が役立つ場面があることも理解しています。
ただ、治療を受けてきた中で強く感じたのは、
機器そのものよりも、歯の状態を丁寧に読み取りながら
粘り強く向き合ってくれる歯科医師の姿勢のほうが何より大切だということです。

根が通らなくても諦めず、角度を変え、器具を変え、
状態を丁寧に追いかけてくれる。
「抜歯の前に、まだやれることがあるはずです。」
その言葉を支えに今のわたしは頑張れています。
先生のご努力から逆にわたしが勇気と諦めない心をいただいています。
「根治」は「根気」と思いながら…。
もちろん、もし先生が
「他院での治療のほうが適している」と判断されれば、
その判断に従う覚悟もできています。
それも“信頼しているからこそ”できる選択です。
 

炎症が治まれば、骨は再生する

炎症が止まると骨芽細胞が働き始め、
溶けた部分はゆっくり再生します。
3か月ほどで黒い影が薄くなり、
半年〜1年かけて白い骨に戻るケースもあります。
骨は再生する臓器。
これが今のわたしの治療を支える大きな励みです。
 

この連載を続けていく理由

今回、“痛みも違和感もないのに病気だった”という経験をしました。
根の治療が長期化すると、誰でも不安や迷いが生まれると思います。
わたし自身、何度も戸惑いました。
だからこの連載では、
医学的な情報だけでなく、
治療中に揺れる気持ちも含めて、
「現実に起きていること」を綴っていこうと思います。
CTで黒い影を見つけたあの日から、
自分の歯の奥で起きていることに、これまでより深く目を向けるようになりました。
治療の中で感じたことや、小さな気づきは、
ここに少しずつ書いていこうと思います。
また近いうち、この続きを書きますね。
お読みいただければ幸いです。
 
 
2025年11月27日 11:00

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