埼玉県川口市 JR川口駅近く 徒歩3分のクリスタルデンタルクリニック

【そごう川口店より移転いたしました】JR川口駅近く徒歩3分の歯医者 日曜祝日も診察

クリスタルデンタルクリニックブログ ≫ 右上6番、静かな闘い【第6話】 ── 神経を抜いた歯に... ≫

右上6番、静かな闘い【第6話】 ── 神経を抜いた歯にも、その後の年月がある ──

右上6番の治療は、まだ続いています。

前回までは、根と根の分かれ目に見えた穴のような部分を止血し、封鎖し、治療を続けられる状態にしたところまでを書きました。

この右上6番は、以前に神経を抜き、根の治療を受けていた歯です。
根の先には黒い影があり、根の中には石灰化している部分もありました。
治療中には出血もあり、根と根の分かれ目には、穴のように見える部分もありました。

根管治療といっても、すべての歯が同じ条件で治療できるわけではありません。

特に、神経を抜いて長く使ってきた歯には、その歯なりの変化があります。

今回は、その「神経を抜いた歯のその後」についても書いておきたいと思います。

神経を抜いた歯は、そこで時間が止まるわけではない

神経を抜いた歯について、私たちはつい、こう考えてしまいます。

神経を取った。
根の中を処置した。
被せ物をした。
だから、その歯はそのまま残っている。

もちろん、外から見れば歯の形は残っています。
被せ物が入り、噛めていれば、日常生活では「普通の歯」として使うこともできます。

けれど、神経を抜いた歯は、そこで時間が止まるわけではありません。

過去のむし歯。
治療の跡。
炎症。
噛む力。
年月による変化。

そうしたものが、歯の中や根の先に少しずつ影響していることがあります。

神経を抜いた歯にも、その後の年月がある。

私の右上6番は、まさにそういう歯でした。

神経を抜いた歯に起こる変化

神経を抜いた歯は、時間がたつと色が暗く見えることがあります。

茶色っぽい。
グレーっぽい。
透明感が少ない。
隣の歯と比べると、少し沈んだ色に見える。

これは、神経を抜いた歯で見られることがある変化です。

神経が死んだときの血液成分や、根管治療で使った材料、古い詰め物や被せ物などが影響して、歯の内側から色が変わって見えることがあります。

また、神経を抜いた歯は「もろくなる」と言われることがあります。

ただし、神経を抜いた瞬間に、歯が急にスカスカになるわけではありません。

根管治療が必要になる歯は、もともと大きなむし歯があったり、何度も治療を受けていたり、被せ物のために歯を削っていたりすることが多くあります。

つまり、弱くなる理由は「神経がないから」だけではなく、残っている歯の量が少なくなっていることも大きく関係しています。

歯の壁が薄い。
古い修復物が入っている。
強い噛み合わせがかかる。
根の中を何度も治療している。

こうした条件が重なると、歯は割れやすくなったり、次の治療が難しくなったりします。

右上6番も、ただ神経を抜いた歯というだけではなく、長く治療を受け、長く使われてきた奥歯でした。

そして、その変化は歯の外側だけでなく、根の中にも起こることがあります。

石灰化とは、根の中の道が狭くなること

今回の治療で大きな壁になったもののひとつが、石灰化でした。

石灰化とは、歯の内部に硬い組織が作られ、神経が通っていた空間や根の中の道が狭くなったり、見つけにくくなったりする変化です。

加齢、深いむし歯、過去の治療、歯髄炎、外傷、慢性的な刺激、噛む力などが関係することがあります。

石灰化があると、根の中の道が分かりにくくなります。
入口が見つけにくい。
細い器具が進みにくい。
途中で道が消えたように見える。

根管治療は、歯の中にある細い道をたどっていく治療です。
その道が狭くなっていたり、分かりにくくなっていたりすると、治療の難易度は上がります。

私の右上6番でも、まさにその難しさがありました。

根の吸収とは、根が少しずつ失われること

もうひとつ関係していたのが、根の吸収です。

根の吸収とは、歯の根の一部が少しずつ溶かされるように失われていく現象です。

「何に吸収されるのか」というと、身体の中にある細胞の働きによって、根の表面や先端の硬い組織が分解されていきます。

乳歯では、永久歯に生え替わるために根が吸収されるのは自然なことです。

一方で、大人の永久歯では、外傷、矯正治療の力、慢性的な炎症、根の先の感染、周囲からの圧迫などが関係して、根の吸収が起こることがあります。

根が吸収されると、レントゲンやCTで見たときに、根が短く見えたり、根の先が丸くなったり、欠けたように見えたりします。

根の形が変わると、根管治療では「根の先がどこなのか」「薬がどこまで届いているのか」が分かりにくくなることがあります。

吸収された根は、基本的に元の長さには戻りません。

そのため、治療では、根を元通りにするというより、炎症や感染が進まないように整え、歯として使える状態を保てるかを見ていくことになります。

パーフォレーションが起こりやすくなる条件

前回書いた、根と根の分かれ目に見えた穴のような部分。

これは、パーフォレーション、つまり歯の内部と外側が交通してしまう穿孔が疑われる部分でした。

パーフォレーションは、根管治療の中で起こり得る偶発的なトラブルのひとつです。

特に、根管が石灰化していて本来の道が見えにくい場合、過去の治療で内部の形が変わっている場合、歯質が薄くなっている場合、根が曲がっている場合、根の吸収がある場合などは、治療の難易度が上がります。

歯の中の道が細くなり、形が変わり、見えにくくなっている。
その中で、本来の根管を探しながら治療を進める。

右上6番は、そういう条件がいくつも重なっていた歯でした。

根の先を目指して

今回の治療で、先生は根の先まで届かせることを目指して処置を続けてくれました。

根の先には、黒い影がありました。
根尖病巣と呼ばれる部分です。

根尖まで器具が届き、薬が届き、炎症の原因に直接アプローチできれば、治療としてはとても分かりやすくなります。

根の先まで通る。
根管内をきれいにする。
必要な位置まで薬を届ける。
その後、黒い影が落ち着いていくかを確認する。

それができれば、治療の見通しはかなりすっきりします。

実際、治療の途中では、これまで届かなかったところに器具が入ったように見える場面もありました。

薬の入るコースが、今までとは少し違って見える。
角度も変わったように見える。
根の先まで届いたのかもしれない。

そう思える場面もありました。

ただ、根が吸収されて短くなっていたり、石灰化によって根の中の道が分かりにくくなっていたりすると、見え方と実際の到達位置が一致しないことがあります。

通ったように見えた道が、根の先まで届いていない。
根尖に届いたように見えても、途中で終わっている。
薬が少し違う方向に入っているように見える。

長く使われてきた歯では、こういうことが起こることがあります。

ビタペックスという薬

治療の途中で、根の中にビタペックスという薬を入れることがありました。

ビタペックスは、水酸化カルシウムとヨードホルムを主成分としたペースト状の材料です。
根管治療で、根の中に入れて使われることがあります。

水酸化カルシウムは、強いアルカリ性を示す材料で、根管内の細菌を減らしたり、炎症のある環境を落ち着かせたりする目的で使われます。

ヨードホルムには、X線で確認しやすい性質もあります。
そのため、薬がどのあたりまで入っているかを見る手がかりにもなります。

ただし、ビタペックスを入れたから根尖病巣がすぐに消える、という単純なものではありません。

根の先まで直接届く場合もあれば、届く範囲まで入れて、根管内の環境を整える目的で使う場合もあります。

私の場合も、根尖病巣そのものに直接触れるというより、届く範囲で根の中を整え、根の先に近いところまで薬を入れてもらうような治療でした。

薬を入れたあとの痛み

ビタペックスを入れたあと、1日くらい噛めないほど痛むことがありました。

右上6番で噛もうとすると、ズンと響く。
うっかり当たるだけでも痛い。

根の治療では、薬を入れたあとや根の中を触ったあとに、一時的な反応が出ることがあります。

もちろん、強い痛みや腫れが続く場合は、歯科医院に確認が必要です。

私の場合、その痛みは長く続くものではありませんでした。
1日ほど噛めないくらい痛い日があっても、その後は少しずつ落ち着き、また普通に噛めるようになりました。

痛みがあるときは無理に噛まない。
経過を見ながら、次の治療につなげていく。

根管治療は、そうやって少しずつ状態を確認しながら進めていく治療でもあります。

黒い影は、少し薄くなってきた

右上6番の根の先には、黒い影がありました。

レントゲンやCTで見る、根尖病巣と呼ばれる部分です。

根の先に炎症があると、骨が溶けたように黒く見えることがあります。
この黒い影があるからといって、すぐに抜歯というわけではありません。

大切なのは、治療後にどう変化していくかです。

私の右上6番では、治療を続ける中で、この黒い影が少し薄くなってきました。

これは、経過を見るうえで大切な変化でした。

ただし、
「薄くなった」ことと、
「完全に消えた」ことは違います。

黒い影は、まだ残っています。

炎症が落ち着く方向に向かっている可能性はある。
でも、根尖病巣が完全に消えたわけではない。

この中間の状態を、これからも経過として見ていくことになります。

神経を抜いた歯の、その先を見ていく

神経を抜いた歯は、治療して終わりではありません。

色が変わることがある。
残っている歯が少なくなり、割れやすくなることがある。
根の中が石灰化して、次の治療が難しくなることがある。
根の吸収によって、根の先の形が変わることもある。

それは、怖がらせるための話ではありません。

神経を抜いた歯にも、その後の年月がある、ということです。

右上6番の根の中の汚れや出血は、少しずつ落ち着いてきました。
薬を入れたあとに痛む日があっても、その後はまた噛めるようになりました。
根の先の黒い影も、少し薄くなってきました。

ただし、黒い影は完全に消えたわけではありません。
根の吸収や石灰化もあり、根の先へ直接アプローチすることが難しい部分もあります。

ここから先は、
「どこまで落ち着けば、この歯を使っていけるのか」
を見ていく段階なのだと思います。

完全に元通りの歯に戻すことは、難しいかもしれません。
でも、落ち着いた状態で使い続けることは、目指せるかもしれません。

歯を残すというのは、いつも派手な勝利ではありません。

痛みが落ち着く。
噛める日が続く。
悪くなっていないことを確認する。
必要なときに、また手を入れる。

そうやって、静かに保っていく歯もあります。

右上6番は、これからも歯科で経過を見ながら使っていく歯なのだと思います。

2026年06月13日 10:42

そごう川口店より移転

クリスタルデンタルクリニック

〒332-0017
埼玉県川口市栄町3-8-4 石井ビル2階

0120-91-6482

受付時間:午前 10:00~12:30 / 午後 月・火・水・祝日 15:00~18:00、木 15:00~16:30、土・日 15:00~18:30
休診日:金曜日・年末年始・お盆など

診療時間の変更などは、Googleカレンダーで最新情報をご確認いただけます。
ストリートビューはこちら

モバイルサイト

クリスタルデンタルクリニックスマホサイトQRコード

スマートフォンからのアクセスはこちら