口腔機能低下症とは何を指すのか
歯の治療だけでは守れない領域
これまでの歯科医療は、むし歯や歯周病など「歯そのものの治療」が中心でした。現在の歯科医療では、それに加えて、
噛む・飲み込む・話すといった“お口の機能”をどう保つかという視点の重要性が高まっています。
制度としても、こうした機能を評価・管理していく考え方が取り入れられており、
その枠組みの一つが「口腔機能低下症」です。
制度としての評価の枠組み
口腔機能低下症は、日本老年歯科医学会が提唱した考え方をもとに、
現在は保険診療の中で評価・管理が行われています。
主に以下のような機能の状態をもとに評価されます。
・口腔衛生状態
・口腔乾燥
・咬合力
・舌・口唇の運動機能
・舌圧
・咀嚼機能
・嚥下機能
これらのうち、複数の項目を総合的にみて判断します。
数値だけで判断するのではなく、
日常のご様子やお食事の取り方、会話の様子なども含めて
総合的に状態をみていきます。
解剖学的にみた口腔機能
お口の機能は、それぞれが独立しているわけではありません。・口輪筋(口を閉じる)
・頬筋(食べ物をまとめる)
・舌(送り込む・飲み込む)
・咀嚼筋(噛む)
といった筋肉と、その動きを調整する神経の働きによって成り立っています。
そのため、どこか一つの働きが弱くなると、
全体のバランスが崩れやすい構造になっています。


